「フッ素は神経毒」「フッ素は歯科医師会の利権」・・・飛び交う情報に歯科医師の立場で反論します

このブログでは、今までフッ素の有用性、

歯に対してどのように作用し、どんな良い結果をもたらすか、

何度か紹介してきました。

最強フッ素伝説

フッ素物語

日常の診療や講演の中でもフッ素は良いものとして

お伝えしております。

フッ素は保険でも認められており、

また歯磨き粉、ジェルや洗口液など多く利用されていることは

皆さんご承知の通りです。

フッ素を認めない代表的な意見

しかしながら、

・フッ素は神経毒(下垂体にフッ素が蓄積する)

・フッ素は猛毒

・歯科医師会の利権

・WHOは6歳以下のフッ素を禁止している

・海外では水道水のフッ素添加が減少している

などの理由から、

フッ素に対して注意喚起を行う人達があります。

それどころか、SNS等でも過激な発言が上位に来ることもあります。

もちろん、絶対に安心とは言い切れないので

診療に決してフッ素を用いない歯科医院があることも知っています。

また、これらの意見を信じて自分がフッ素を用いない、

それなら良いかもしれませんが、

歯科医師でも専門家でもない人が

何の医学的根拠も持ち出さずに

神経毒のフッ素を入れると歯科医師会が儲かるから、

 歯磨き粉製造会社と歯科医師会が利権で繋がっている

とか、、、

もはや陰謀論としか言いようがありません。

フッ素は日量の食物にも含まれている

フッ素は食品1キロあたりに

牛肉だと2.0mg

じゃがいもだと1.0-2.5mg

イワシだと10-30mg

と、食品の中にも含まれています。

歯科におけるフッ素は大体ppm単位です(1/1000mg)。

適正な取り方をしていれば

問題があるとはとても思えません。

これらの意見に対するアンサー

前述の意見で答えが必要そうなものだけお答えします。

・フッ素は神経毒、脳下垂体に蓄積される・・・

フッ素で中毒症になった子が

歯磨き剤のチューブを2本弱一気飲み!!!

そもそも適正量を守っていません。

そんな、適正量を守らなければ塩(NaCl)も水(H₂O)も

人体に悪影響を与えることになりますよ。

また、脳下垂体に蓄積されるのはカルシウムであって、

それに付随しているのがフッ素です。

フッ素だけを取り上げるのはおかしな話です。

・WHOは6歳以下のフッ素を禁止している

6歳以下の子はうまくうがいができないリスクがあるので

フッ素洗口を勧めないことがあります。

さすがに全量を毎日飲んでしまうと適正量を

超えてしまう危険もあると思います。

日本でも自治体によっては週一回幼稚園や小学校で

フッ素洗口を励行しているところもあります。

変な使用法をしなければ問題ないと言ってよいでしょう。

・海外での水道水のフッ素添加が減少している

そもそも日本では現在行われていません。

また、すべての人が選択の余地なくフッ素入りの水道水を

用いなければならないのはおかしい、という意見から来ているものです。

フロリデーションという記事で詳しく紹介しています

・歯科医師会の利権

歯磨き粉等にフッ素を入れることで歯科が儲かる???

フッ素の有用性は長年の研究や種々の論文で示されています。

実際むし歯量が減少したというデータは多くあります。

使命感を持ってむし歯の減少を目指してきた研究者や先達、

歯科の先生に対して思い込みだけで利権と言い出すのは

乱暴な意見だと憤りを感じずにはおられません。

まとめ

今回はSNS等で目に入ったフッ素に否定的な意見に対して

歯科医師としてアンサーを行ないました。

個々の思いがあるのは問題ありませんが、

知らない人が「フッ素は危険」と思い込んでしまうのは

残念だと思いましたので、文章にしました。

もちろん医学は日進月歩で、

この記事も10年後にはウソになっているかもしれませんが

現時点で歯にフッ素を使用することを止める理由は何もないと感じています。

今回も最後までお読みいただき

有難うございました(*´▽`*)

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