消えた「画期的な治療法」!?その療法は本当に有効ですか?ニセ医学について考える

日常診療-つれづれ-

医療従事者であれば、誰もが少しでも患者の苦しみをとって

幸せにしたい、という願いを持っています。

時には独創的なアイディアで新たな治療法を発見したり、

それが医学の進歩につながってきたのは間違いないでしょう。

しかし、新しい治療のアイディアとして生み出され、

多くの人に宣伝されても、十分なエビデンスが得られずに

下火になっていったものもあります。

エビデンスとは証拠、根拠のことで、

医学では非常によく使われる言葉です

体感的には正しいと信じられることであっても

医学的に本当かどうか判らないことを

教科書にあげる訳にはいかないですよね。

最近の話題

最近だと、血液クレンジング(オゾン療法)ということが

ネットやSNSで話題になったことがあります。

””

専用のボトル内に血液を採取し、

オゾン3%、純酸素97%の混合ガスを注入することにより血液を活性化させ、

点滴の要領で体内に戻す

””

というものです。

近くのクリニックや歯科医院でも勧められているのを見たことがあります。

あるインフルエンサーがその療法を試したことで

多くの人に知られるようになり、

いろいろな議論をまき起こすことになりました。

どのような議論があったかは、

種々のブログや動画、SNSで詳しく語られていると思います。

正しいかどうかは、、、正直判断できません。

ただ、エビデンスが弱いという印象はあり、

積極的に伝えるには至っておりません。

歯科における事例

歯科において有名なのは

パーフェクトペリオ

があげられると思います。

パーフェクトペリオは、

””

2005年頃に開発された、

口の中の虫歯菌や歯周病菌を

10秒間うがいすることで、

ほぼ完全に口腔内を殺菌できる次亜塩素酸電解水です

””

と紹介されています。

これも一時期話題になり、多くの歯科医院で宣伝されていたように思います。

しかし、その後日本歯周病学会が見解を出していますので、

少し煩雑ですが、引用してみましょう。

“””
「パーフェクトペリオ」(以下PPW)は次亜塩素酸(HClO)を主体とする殺菌作用を期
待した機能水の一種である。PPWについては、2007年頃より、東京医科歯科大学う蝕
制御学分野のグループや明海大学歯内療法学分野のグループより、主にう蝕病原細
菌や実験的バイオフィルムに対する抗菌効果1-7)、根管内のスミヤー層や細菌の除去
効果など8-12)について報告している。歯周病に関する研究としては、東京医科歯科大
学歯周病学分野より2009年に基礎的な研究について学会発表がなされているのみで
ある13)。この報告では、歯周病原細菌であるPorphyromonas gingivalisや
Aggregatibacter actinomycetemcomitansに高い有効塩素濃度(600pm)のPPWを作用
させると殺菌効果があることが示されている。一方で、ヒト歯肉線維芽細胞(HGF-1)お
よびヒト単球由来細胞(THP-1)にPPWを作用させたところ、生存細胞数が減少したが、
その傷害性は同程度の濃度のクロルヘキシジンや次亜塩素酸ナトリウムと比較しても
同じかそれよりも低いものであるとしている。しかし、これらの研究はいずれも基礎的な
研究で、また査読制度のある学術雑誌の論文はわずかであり、ヒト応用に関し安全性
と有効性が高いレベルで示されているわけではない。また、臨床的研究についての報
告はこれまでにない。
PPWを用いた歯周治療については、最近マスコミ等で取り上げられ、国民から注目さ
れている。そして、この方法に対する期待が、患者だけでなく一部の歯科医療関係者
にもみられるようである。しかしながら、現在PPWを使用している歯科医師が、PPWの
使用に際して必要な倫理的事項(大学や学会などへの倫理申請、患者への説明文書
の提示と同意書の取得など)に対して、どのように対処されているのかは不明である。
PPWを販売していたパーフェクトペリオ(株)では、現在、販売を一時中止した上で、
PPWの生成装置について「新医療機器」としての申請を準備中とのことである。同社で
はラット等を用いた急性経口毒性試験や皮膚刺激性試験や細菌を用いた変異原性
試験などで重篤な問題を生じることがなかったと報告しているが、今後、厚生労働省の
「臨床研究に関する倫理指針」に則って臨床研究の実施なども計画しているとのことで
ある。
以上より、現状でのPPWの歯周治療への応用については、研究途上の段階で科学
的根拠が十分であるとはいえず、日本歯周病学会としては安全性や有効性について
学術的な場で充分な討議が行われた後に、臨床に応用されるべきであると考える。

“””

と、現時点での見解を示しています。

うーん、

もちろん、嘘とは言えませんが

素晴らしいから勧めよう、ともなりません。

パーフェクトペリオ自体がその後、

下火になってきていると思います。

まとめ

今回は2つの例をあげるにとどまりましたが、

他にもたくさんの例があると思います。

とはいえ、

「ニセ医学はダメだ、廃れていかねばならない」

と言いたかったわけではありません。

それらを面白がって叩きたいわけでもありません。

今日、日本で認められていないながら、

難病の治療のために種々の方法を試すこともありますし、

そこに活路を見出す人達だってあるわけです。

これらが本当か嘘か、現時点でははっきりしていないだけ、

ということです。

実際のところ、新しい医療は5年、10年経ってみないと

問題が洗い出されないでしょう。

皆さんに言えることがあるとすれば、

結局、医学で十分なエビデンスが無いものは

最後は自己責任になってしまいます。

ネットやSNSの情報に惑わされず、自分の目と耳で

正しいかどうかを判断することが大切、

ということになると思います(*´▽`*)

今回も最後までお読みいただき

有難うございました( *´艸`)

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