そんなにフッ素が良いなら、水道水に混ぜちゃえばいいじゃん。-なぜか日本では行われないフロリデーションについて-

さて、フッ素が歯に良いものである、

ということはこれまでもお伝えしてきました。

そうすれば、必ず思うことがあります。

フッ素を歯の表面に塗ることを意識するよりも

フッ素を飲料水として取り込んでしまえばいいじゃん!!

はい、名案です。

とはいえ実はこれ、

水道水フロリデーション

と言って、世界では米国やオーストラリア、ブラジル、イギリス等、

多くの国で用いられているんですね。

ただ、現在日本では認められておりません。

どうしてでしょうか。

水道水フロリデーションとは?

水道水フロリデーションとは、

むし歯を予防するために飲料水中のフッ化物濃度を

むし歯を抑制する適正量まで調整するという方法です。

ただし濃度が濃すぎると

歯のフッ素症(斑状歯(はんじょうし))という症状が出てしまいます!!

(重度か軽度によっても変わりますが、

 歯に不透明な縞模様ができます。

 画像は少し過激に感じる方もあると思いますので

 気になる方は検索して調べてみてください)

ですから、適正な濃度にすることはきわめて重要です。

適切な濃度であれば、

むし歯を半分以下に減らすとまで言われているので

水道水にフッ素を混ぜる、というのは大変有効な方法です。

実は、世界保健機関(WHO)などでも保証されており

その普及が支持されています。

もともとは1945年に米国ミシガン州などで

はじめて開始され、永久歯のむし歯が半減したというデータが残っており、

徐々に世界中に広がっていった、という歴史があります。

日本ではやらないの?

そんな良い方法なら、日本でもやればよいじゃない!!

そう思いますよね。

実は日本でも

1950年代から1970年代頃まで

京都や三重、沖縄で試験的に行われていたこともあります!!

「日本返還前の沖縄ではフロリデーションは行われており、

日本に戻ってから廃止された影響でむし歯が増えた」

と、おっしゃっている沖縄出身の歯科医師もおられました。

ただ、水道水にフッ素を入れることへの賛否は

専門家の中でも議論が分かれるところのようです。

特に安全性の問題で、

・歯のフッ素症(斑状歯)の発症

・発がん性があるのではないか

・子供たちのIQが下がるのではないか

などの懸念があるそうです。

水道水は生命を維持するための最も重要なインフラですから、

フッ素入りの水を全住民に強要し、

取り返しのつかない問題が起きたらどうするんだ、

という意見ですね。

まとめ

飲料水にフッ素を混ぜるというアイデアは

昔からあって、その有用性は知られているところです。

むし歯ゼロを目指す歯科医師の自分の立場としては

フロリデーションはおおいにやって良い、と思います。

ただ、反対意見の方の気持ちも分かります。

後になって問題が起きてからでは取り返しがつきませんから。。。

そこも含めて更なる研究が進めばよいな、

と思う今日この頃です。

本日も最後まで

お読みいただき有難うございました(*'ω'*)

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